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なぜ地下実験である必要があるのでしょうか?


  • 極めてまれにしか起らない現象:素粒子/実験の反応には,非常に発生がまれな現象があります。但し,頻度が小さいという事が,物理的に意味が無いと言う事は決してありません。むしろ,まれなだけに,起れば非常に重要な内容で含んでいる事も珍しくありません。如何にそのような例をいつか見てみましょう。

      低バックグラウンドの現象の例
    • 陽子崩壊:大統一理論で期待される,陽子や中性子等のバリオンが崩壊して,レプトンやメソンなので崩壊する現象です。 陽子とは,原子核を構成するものなので,これが崩壊すると地球が無くなってしまう事にもなりかねません。 しかしながら,予想される寿命は理論によって違いますが,実験的にはこれまた崩壊過程によって違いますが,大まかに言って現在の所,1032年以上となっています。 宇宙の寿命が150億年として,このように長い寿命は崩壊があったとしても恐ろしく先の話で,全く心配する必要がありませんね。
       ここで言う寿命は,寿命がくれば一気に壊れると言うのではなく,1032個の陽子があったらその内で1年間に崩壊する個数が1個以内であると言う事を意味しています。 従って,このような非常に稀な現象を検出するには,ここで言えば非常に多くの崩壊元である陽子が無ければならない事を意味します。
       これを目指した実験が,ノーベル賞の受賞で有名な小柴教授達が始めた「カミオカンデ実験」です。それでも陽子崩壊を観測できなかったので,更に一桁大きな「スーパーカミオカンデ実験」に引き継がれましたが,それでも未だ見つかっていません。(ちなみに,カミオカンデ/スーパーカミオカンデは,陽子崩壊は見つける事はできていませんが,宇宙から来るニュートリノ観測の分野で輝かしい成果を上げている事は,良く知られている通りです。
       このように,この現象は極めてまれにしか起こりませんが,「起ったら,大統一理論を実証する」という極めて大きな内容を持っているのです。
    • 宇宙ニュートリノの検出:宇宙からは非常に多くのニュートリノが飛来しています。それらの発生源は,小柴博士のノーベル賞で良く知られた超新星爆発,太陽での核融合から来るニュートリノ,宇宙の彼方からやって来た粒子が大気中に入って来て空気と核反応を起こしてその結果生成されるニュートリノなど,色々あります。その他にも,思いもつかない事が元になっているものもあるかもしれません。しかし,ニュートリノは他の粒子と殆ど力を及ぼし合いません。実際,1兆個のニュートリノが地球に飛び込んでも,その内の1個が地球の中で反応を起こす程度で,その他は全く何もなかったように突き抜けて行くのです。
       しかし,まれに起こる反応をスーパーカミオカンデで捉えて,重要な発見をした事は良く知られています。このようにまれにしか反応を起こさないニュートリノの研究が,次世代の素粒子物理学の理解と理論の構築に穫って最も重要な役割を果たすものの一つである事は,素粒子物理学の分野では共通の認識です。
    • ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊:中性子が電子と反電子ニュートリノを放出して陽子に変わる現象はベータ崩壊と呼ばれ,良く知られています。原子炉の中での原子核崩壊で反電子ニュートリノが放出されるのも,この現象によるものです。 また,この現象が殆ど同時に起って,2個の電子と,2個の反電子ニュートリノが放出される現象もあり,これについてはほぼ現在の理論で理解される所です。
       しかし,ニュートリノを放出しないで2個の電子のみを放出する現象が起こる可能性も考えられています。これがここで言う「ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊」です。これは,未だ見つかっていません。 これについても,起るとしても非常に稀である事が予想されています。
       しかし,これが見つかるとニュートリノが,これ迄の理解とは全く異なる,ニュートリノと反ニュートリノが同じであるという面がある事を証明する事になります。この事は,ニュートリノの質量がなぜ小さいかと言う謎に繋がり,宇宙創成の物理に繋がると言う事も期待されています。

  • 地下で実験を行う意味:
    「非常に稀な現象」がしばしば非常に重要な意味を含んでいる可能性がある事を書きました。それでは,それと「地下実験」とは,どう関係するのでしょうか?
    • 宇宙線: 宇宙の彼方からは,色々な粒子が飛んで来ています。多くは陽子ですが,それ以外にも陽子より重い原子,ガンマ線等も含まれています。それらのエネルギーは色々ありますが,中には人間の力で,加速器ではとても作り出せないような高いエネルギーの粒子もあります。これらは,そのエネルギーを生み出した機構を探る為の重要は標的となっています。日本や世界中で多くの,兆候エネルギー宇宙線の研究プロジェクトが進行中或は準備中です。
       一方,この宇宙線は,我々の地球上のあらゆる所に降り注いでおり,その数は勿論エネルギにもよるのですが,地球表面に降り注ぐ宇宙線の数は,大まかに言って10cm□の面積に毎秒1個飛び込むくらい多くあります。
    • 宇宙線によるバックグラウンドの除去:先に述べたようなまれにしか起らない現象を現象を観測するのには,どこにでも降り注いでいる宇宙線の寄与を押さえる事が重要です。 宇宙線の多くは,物質を通過する事でエネルギーを失い,止まってしまいます。従って,地中深い所で実験をする事が有効です。例えばスーパーカミオカンデの場合,富山から岐阜へ県境を超えて直ぐの所にある旧神岡鉱山のトンネルの中にあり,山頂迄は約1,000mの岩盤が覆っています。上で述べたように,最近はニュートリノ実験を始めとして,まれにしか起こらない現象を観測しようとする実験が増えて来たので,世界中に幾つかあるこのような場所には,多くの種類の稀な現象を捉えようとする実験が集まってくる事が良く見られます。神岡にも,スーパーカミオカンデやカムランドの他,二重ベーター崩壊実験,重力波や暗黒物質を検出しようとする実験等がここを拠点として行われています。
    • ダブルショー実験も,大強度のニュートリノ源の近くで行われるので非常に深い所に置かれる必要はありません(尤も,そのような場所には原子力発電所は無いでしょうが。)が,それでもできるだけ宇宙線の影響を減らす事は,実験の質を上げる上では好ましいので,検出器は山の中に置かれるか,或は,地下深くに穴を掘ってその底に置かれます。
    • この種の実験が行われるのは土の中だけではありません。深い湖や海の底,或は南極の氷の中深くに検出器を設置している例もあります。