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ダブルショー日本グループの活動


  • 全体として期待される役割: 色々な方法でのニュートリノ物理に関わる実験の実績を持ち,加速器実験や理論の分野においても先進的な実績を果たして来ている日本から,(一人一人ではなく)グループとしてまとまって,少なくとも一つの重要な部分での指導的な寄与を果たすことが,ダブルショー実験の推進にとって非常に重要です。
    • 日本には,スーパーカミオカンデ,カムランド,K2Kなど多くのニュートリノ実験において実績があります,また,加速器実験含めて高性能光電子増倍管(以下,PMT=PhotoMultiplier Tube)や大容量液体シンチレータなど原子炉ニュートリノ検出に必須の技術に対しても豊富な実績があります。 更にデータ収集システムの構築に実績がある等,多彩なメンバーが集まって,非常にまとまりの良い「グループ」として参加しています。
    • ダブルショーグループの日常的に重要なことについて議論し運営して行く為の運営委員会に,委員を2名出して全体の運営に寄与しています。(末包文彦,久世正弘)
    • 中心部のニュートリノ信号を捉える為のPMTの全体に責任を持つ事を期待され,また引き受けています。 実際その為に,ニュートリノ信号検出用PMTに責任をもつグループのリーダーは,日本グループから出しています。(末包文彦)
    • ダブルショー検出器全体の技術検討を行う技術委員会(Technical Board)のメンバー,予算関連の議論を行う予算委員会(Financial Board)にも委員を送っています。

  • 部分として期待され,受け持ち,これまで果たしてきている役割についての活躍  
    • ニュートリノ信号用PMTの開発,設置と運用: これは,日本グループメンバーが全員で「中心的な責任」を担っている,最重要部分です。
      • 高性能低雑音PMTの開発: 原子炉ニュートリノが標的と反応して出す光は非常に微弱です。 従って,それを電気信号に変換する光電子増倍管は高い感度を持ちながら,雑音は逆に極めて小さいことが必要です。 具体的には,「電子1個」を「電子1千万個」まで増幅します。 日本グループは,これ迄の実績の上で浜松ホトニクス社と協力して,これ迄のものと比べて格段に雑音の小さな/含有放射性同位元素の少ないPMTを開発しました。
      • PMT性能評価システムの開発: 大量のPMTの多くの性能を,高速で評価するシステムを開発しました。(首都大学東京)
      • PMTの評価: PMTの性能は,実験成果に直結します。 このため,全てのPMTについて,重要な評価項目(光から電子への変換効率,増幅度,雑音,時間性能その他)についての詳細な評価が,日本(東工大)で行われました。 評価に当たっては,仙台,新潟その他の大学に居る研究者/大学院生も東工大へ行って,シフト体制でテストが行われました。 その結果,不良品は交換し,一本一本の詳細な性能評価表が作成されました。
      • 全PMTの発送: PMT増倍管は一旦,ドイツ(マックスプランク研究所=MPIK)へ送られ,保管されました。
      • MPIKでは,日本グループによるPMTの輸送後テストと,スペイングループによるアセンブリ(磁気シールドや検出器に組み込む為の附属部品の取り付け・組み立て)が行われました。
      • PMTのMPIKから実験現場(ショー=Chooz)への移送:簡単そうに思えますが,PMTは非常に高価な為,国境を通過する際の税関の手続きが大変でした。これについては,フランス・ドイツの人たちが頑張ってくれました。
      • 組み立てられたPMTの,検出器本体内面(側面と底面)への装着: 日本グループが中心となり,ドイツ,スペイン,アメリカのグループ等と一緒に行われました。 この時の装着作業は,日本グループのリーダーシュップの元,実に和気あいあいと,慎重且つ迅速に行われ,全く事故も無く予定よりも早く終了し,グループ内でも高く評価されました。
        実装の中間報告書
      • 組み立てられたPMTの,検出器本体上蓋内面(上面)への装着
      • HVシステムの開発:ニュートリノ検出用のPMTの準備の一環として始められたHVシステムの制御/監視システムの開発は,他の同種のHVを使う部分への応用に迄至りつつあります。
    • データ収集システムの開発と構築: PMTからの電気信号はケーブルを通って電子回路室へ送られます。 そこには,増幅器やアナログの電気量をコンピュータに読み込む為のディジタル量に変換する回路等が用意されています。 それらの回路を経て,必要な信号と判断された信号は,「データ」として,コンピュータに読み込まれ,更に実験室外の大型コンピュータに送られます。この辺りの事を制御するシステムをデータ収集システムと言いますが,日本グループはその中で,
      • 実験データの開始停止等を制御する「ラン制御」の部分と
      • データが正常に取れているかどうかを,コンピュータ処理した結果で監視する為の「疑似オンラインモニター」     
        この開発の中で作られたソフトは,DC全体のオンライン監視ソフトに標準的に使われるになってきています。
      を担当しています。いずれも,リアルタイム性の必要なソフトウェアーです。現在は2月頃に現場のコンピュータに実装するべく,準備の最終段階にあります。
    • 検出器校正用システムの整備と運用: 前に書きましたように,PMTでは1千万倍の増幅が行われます。 PMTは高電圧をかけて動作させるのですが,この電圧の微妙な変化も,増幅度の変化の原因となります。 また,最終的に読み出される前には,電子回路での増幅器も予定されています。 これら全てを含めた総合的な増幅度の変動は,実験の精度に直接影響します。 そのため,これらが安定であるかどうかは監視しておく必要があります。 これらの監視の手段は幾つか用意されているのですが,日本グループはレーザー光を用いた監視システムを担当しています。 この部分のハードウェアーはイギリスグループが準備したのですが,今後の運用,データの管理その他については,日本グループが責任を持つ事になっています。 ファイバーは既に検出器に設置されていますので,今後は調整期間にテスト運用を始める事になります。
    • シミュレーション及び解析用ソフトウェアーの開発: 実験は,データを取るだけでは無意味である事は良くお分かりだと思います。 そのあとで大事なのは,それを解析して,ニュートリノ振動の実験データにもって行く事です。 その為に実験が始まる前から準備しておかなければならない事は,大まかに分けて,以下の二つです。
      • 素粒子や宇宙線等が検出器内に飛び込んで来たときの検出装置の応答を正確に把握しておく事が重要で,このためには信頼できるシミュレーションソフトウェアーが必要です。
      • また,勿論,得られたデータから,「真の信号」と信号に紛れ込む「雑音」を分離して,「真の信号を評価し,更に入射ニュートリノ強度や検出器の感度等の効果を正しく評価した上で,ニュートリノ振動のパラメータを得る所迄持って行く,解析ソフトウェアーが必要です。
      これらは,いずれも実験データ取得後に行われなければならない事ですが,一刻も早く結果を出す為には,その準備は事前にしておかなければなりません。特にシミュレーションは,信頼できる実験計画を作る為には,もっと早く,デザインの時から非常に重要です。
    • シミュレーションとデータ解析: これは言わば実験の目的とも言え,最終的に必要な事は言うまでもない事です。これについては十分な準備の上で,「データ」が得られ始めてから本格的に開始される事になります。日本グループは,一つの解析グループを中心となって形成して,他のメンバーと良い意味での競争をして,より質の高い結果を一刻も早く得るべく,準備しています。