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Double Chooz(ダブル・ショー)実験が目指している物理ーニュートリノ物理


素粒子の「標準模型」と呼ばれる理論体系は,自然界がどのように成り立っているかを非常に良く説明できます。標準模型は自然界を構成する基本粒子である素粒子とそれらの間に働く力(相互作用と呼ばれます。)で構成されています。この標準模型は,これ迄の素粒子に関する殆ど全ての実験結果や現象をうまく説明できるという意味で,非常に成功した理論であると考えられています。
 しかしまた一方で,標準模型は,理論自身の中で決める事ができない(という事は実験でしか決められず,なぜその値になるかを標準模型が予言する事ができない)パラメータの数が多すぎることや,非常に広いエネルギーの範囲での自然の仕組みを未だ不自然さ無く説明できていないと言う問題や,その他,基本的な面で解決できていない問題が幾つもある事から,「究極の理論」とは考えられていません。そのため,現在の素粒子物理学の研究においては,標準模型を超えた新しい段階へのステップアップが望まれ,それに向けての努力がされています。

 この標準模型においては,ニュートリノの質量はゼロであるとされています。しかし,宇宙や原子炉から飛んで来るニュートリノを用いたスーパーカミオカンデ実験,カムランド実験,SNO(スノー;カナダ)実験,更には加速器で生成されたニュートリノを用いたK2K実験やMINOS実験等での最近の研究から,ニュートリノが振動現象を起こす事が明らかになりました。このことは,ニュートリノには(ゼロでない)質量があることを証明した事にもなっているのです。 そのため,このニュートリノ振動現象を明確に理解する事が,究極の理論構築の突破口(ブレークスルー)となり得ると期待されています。 このニュートリノ振動を理解する為に必要なパラメータ(これらは上で書いたように,実験でしか決められません。)として,三つの角度(以後,振動角と書きます。)があります。現在すでに,その内の二つの振動角(θ12θ23)は大きな値を持つ事が実験から示されています。しかし最後の振動角(θ13)は値が小さい為観測が難しく,これ迄の実験(Double Chooz実験の前身のChooz(ショー)実験)で,その上限値(この値よりも小さい事は確かだと言う値)が与えられているに過ぎません。

 ダブルショー(Double Chooz)実験では,この最後の振動角θ13を,ショー実験よりも一桁良い精度で測定し,ニュートリノ振動全体の理解を深める事によって,標準模型を超えた次世代の理論構築を目指しています。したがってこの実験は,ビッグバン宇宙論における宇宙初期の状態と違って現在の宇宙においては殆どが物質で反物質は非常に少ないという事(物質と反物質の非対称性と言われます。)がなぜ起っているかの理解に向けた,将来の実験と理論の発展への鍵となる事が期待されています。